日本の未来を考えるブログ

人口のピークはとっくに過ぎて、生産人口がどんどん減っていく日本。これからどうなっていくのか考えるブログ

医療制度の財源はどうなっているか?

日本の医療制度の財源は、「保険料」と「公費」が財源となっています。平成25年度の国民医療費のデータを見てみるとその負担割合は、総額39兆2,117億円に対して「保険料」が18兆8,109億円で47.0%、「公費」が16兆613億円で40.1%、自己負担が4兆9,918億円で12.5%となっています。このように日本の制度は、保険料の収入によって運営する「社会保険モデル」を基本としながら、国庫負担や地方自治体負担のような公費が投入されている「社会保険+税方式」であると言えます。


 また、医療保険の制度によって財源構造やその割合は大きく異なります。「市町村国保」と「後期高齢者医療制度」以外の制度はそれぞれの保険料がベースとなっているのに対し、「市町村国保」と「後期高齢者医療制度」は保険料の他に公費と制度間の財政調整により配分された保険料(前期高齢交付金、または後期高齢者交付金)が財源となっています。例としてその割合を平成24年度データでみた場合、組合健保は総額6.9兆円全てが保険料となっているのに対し、後期高齢者医療制度は総額12.7兆円の内保険料は1兆円のみで、残りは公費6.4兆円と後期高齢者交付金5.3兆円になっています。なお制度間の財源額の大きさでは1位が「市町村国保」で13.2兆円、2位が後期高齢者医療制度で12.7兆円、3位が協会けんぽで8.5兆円、以下組合健保、共済組合、国保組合、船員保険となっています(平成24年度データ)。

 

日本の医療費は年々急激に増加しています。2000年に29.4兆円だった国民医療費は、2015年に41.5兆円となりました。15年の間に実に12兆円も増加したのです。その内訳を施設別でみてみると、最も伸びたのが病院で5.3兆円、調剤薬局で5.1兆円となっており、この2つで増加額の90%以上を占めています。まず病院が伸びたのは、高齢化社会に伴って高齢者が増加し、入院が必要な患者が増加したためです。病院の入外における増加の割合をみると、外来は1.0兆円の増加に対し入院は4.3兆円増加しています。また、調剤薬局が増加した要因は、高齢化に伴う患者の増加と院外処方率の増加です。特に院外処方率は2000年に38.1%だったのに対し、2015年には72.7%と倍近く増加しており、この主要因は、「医薬分業」の進展が大きく関係しています。